不安と心配の違い
不安とは、もし**になったら、**になるんじゃないか?と心が落ち着かなくなったり、漠然と、心の中がざわざわする状態を言います。
その多くが、今、問題になっていない、もしくは今後どうなるか分からないことに対して思い悩む傾向があります。
例えば、良好な関係を結んでいる彼氏とのことで、「もし、私が太ったら、彼は、私を嫌いになるんじゃないか?」と不安を感じたりすることです。
このように、不安とは、実際に目の前に問題として解決しなければならないことではないことにたいして心が落ち着かなくなることなので、症状が悪くなれば、どんどん不安が広がります。
心配とは、逆に、実際に解決しないといけない問題に対して、心がふさぎ込む状態を言います。
例えば、明日までに、入学願書を提出しなければならないのに、高熱を出してしまい、大学に行けそうにない、
どうすればいいのだろう。ということです。
これらのように、不安と心配の違いを理解すると、ある程度、心の中が落ち着きませんか?
問題になる不安と問題にならない不安
不安は大別して2種類あります。健康的な不安と、問題のある不安です。
健康的な不安:
不安を感じる時間が短い
ストレスを感じる場面で不安になる
時々不安になる
日常生活に支障をきたさない
解決しないといけない問題について考えると不安になる
問題のある不安:
不安が数か月もしくは数年にわたって継続する
ストレスがない場合でも不安になる
だいたいいつも不安になる
行動を制限する
当面悩まなくてもいい問題にたいして不安を感じる
不安症とは?
不安がコントロールできなくなり、日常生活に影響が及ぼすような状態になることを言います。
オーストラリアとニュージーランドでは特に多く発症し、3人に1人は、一生のうちに一度は経験すると言われています。
不安症を抱えながら日常生活を送ることは容易ではありませんが、薬物治療、カウンセリングなどを通して、改善することも可能です。
不安症の症状とサイン
不安症を抱えている人は、他の人が、問題にすることでもないことに対して不安を感じます。そして、不安を引き起こすと思われるなんらかの行事や場所や人を避けるようになることもあります。
その他の症状として
― パニック
― 呼吸がしずらい
― 心臓に痛みを感じる
― ドキドキする
― ふらふらする
― 意識が遠くなる
― 顔が赤くなる
― 震える
― 汗をかく
― 意識を集中できない
― 考えがまとまらない
などが挙げられます。
また不安症を抱える人の多くがうつ病を伴っています。
不安症のタイプ
一般不安症
一般不安症を抱えている方は、一日の大半に不安を感じます。例えば、お金のこと、健康のこと、対人関係のこと、未来のこと、
あらゆることにたいして不安を感じます。
また、不安が日常生活に支障をきたしていることをわかっていながらも、不安を止めることができません。
例えば、外出したいけれど、交通事故に遭うかもしれないので、車を運転したくない、といったことです。
一般不安症を抱えている方の多くは片頭痛、筋肉の緊張といった身体的な問題を持っている場合があります。
社会的不安症
社会的不安症を抱えている方は、他人に不安を持っていることを知らせることを恐怖に感じます。その他の症状として
ー 他人の注目を浴びることが怖くなる
ー 新しい人に会うことが怖くなる
ー 人前で発表することが怖くなる
ー 会合やパーティーに参加するのが怖くなる
ー 公共の交通機関を使えなくなる
ー 食べたり飲んだりしている姿を見られるのが怖くなる
というものがあります。
社会的不安症を抱えている人は、失敗して恥ずかしく感じることを恐怖に感じます。
また、周囲の人に不安を持っているのことを気づかれることを極端に怖がります。
これは、シャイである人とは、全く違う症状です。
パニック障害・不安障害とは
パニック障害とは、
ー 心臓がバクバクと脈打ち、呼吸ができなくなる
ー 不安が高まり、どうすればいいか分からなくなる
ー 手足ががくがく震えて止まらない
等の症状があることです。
多くの方は、最初、心臓病などを疑い、様々な病院で診察を受けますが、病気が見つからず、結果的に、
パニック障害だと診断されることがあります。
また何度もパニック発作を経験するとこの病気で死ぬかもしれないと思いがちですが、パニック発作で死ぬことはありません。
広場恐怖症
広場恐怖症を抱えている人は、ある一定の状況に対して極端な不安を持っています。そのため、
そのような状況を避ける傾向にあります。
症状としては、
ー バス、電車、飛行機に乗ることをとても不安に感じる
ー 広いところにいることが不安に感じる(駐車場、橋、公園)
ー 屋内にいることが不安に感じる(ショッピングセンター、映画館)
ー 人込みにいることに不安を感じる
一定の恐怖症
ある一定条件のシチュエーションや、物に対してのみ恐怖がある人は**恐怖症と言われます。
ー 動物恐怖
ー 飛行機恐怖
ー 高所恐怖
ー 閉所恐怖
ー 尖端恐怖
この恐怖を持っている人の場合、あるシチュエーションを避けるようになります。
例えば、犬恐怖症を持っている人は、公園に行くことが怖くなります。
どのように不安症を治療するのか?
精神的治療:不安症を治療するには、カウンセリングが有効です。
行動認知療法をお勧めします。
行動認知療法では、不安の原因を探り、不安をコントロールする方法を学びます。
薬物療法について:精神的治療がうまくいかない場合や、不安症が大きい場合、
薬物での治療を受けることをお勧めします。
自己治療:不安を治療するためには自分自身が不安をコントロールすることが大切です。
ー 深呼吸の方法を学ぶ
ー 友達や家族に不安について話す
ー ウォーキング、ジョギング、水泳やガーデニングなど体を動かす
ー リラクゼーションを日々行う。ヨガや瞑想などをする
ー カフェインやアルコールは不安を助長するので控える